キモチ クリエイター:両角 祥子





「自分の好きな”花”を通して、大好きな人を笑顔にしたい」

『Ribbon Time』の屋号で活動する両角 祥子(もろずみ さちこ)さん。結婚を機に徳島から豊田へ転入し、右も左もわからない状態から生活をスタート。現在三児の母であり、子育てをしながら自分の好きな「花」に関する仕事をしている両角さんに、活動を始めたきっかけを伺ってきました。

両角 祥子(もろずみ さちこ)

日本ペーパーアート協会
ペーパーアート講師、ペーパーフラワー講師

Reika Angel
パステリア書公認インストラクター

1976年生まれ
徳島県出身


HP⇒https://ribbontime-paper.amebaownd.com/
Facebook⇒@RibbonTime
Instagram⇒@ribbontimepaper2016

40歳で一念発起、挫折もありながらスタート。

■猿渡
2016年10月から『Ribbon Time』として本格的に活動を開始されたそうですが、始められたきっかけは何だったのでしょうか?

□両角
実は仕事をしようと思って、働きに出ようと思ったんです。
そのときに何をしよっかなってすごい悩んで、第二の人生みたいなところがあるから好きなことをやろうと思って。

■猿渡
タイミング的には、一番上の娘さんが中学校に上がって少し落ち着いたからという感じですか?

□両角
それもあるかな。娘が中学校入って……あ、一番下の息子が幼稚園入ったからだ。
だいぶ手が離れたんだよね。だから……周りの友達も仕事を始めたし、私も一人でぼーっとしてるのも何だしと思って。
自分が好きなことをやってたら、子どもたちも多分好きなことを見つけてくれるかなと。
今の時代って高学歴とか高収入とかいろいろ言ってたことが崩れてきたでしょ? 「自分のやりたいことを見つけなさい」って子どもに言うのにお母さんが毎日つまんない顔してるのはイヤだなと思って。だから私も何かやろうって思って、仕事に行こうって思ったのね。
そのときに、昔から好きだったお花関係の仕事がしたいなって思ったんだけど、もう年が40歳だし、未経験だったし、受けても落ちちゃったんですよ。

■猿渡
応募されたのはお花屋さんですか?

□両角
そう、お花屋さん。
結果がきたときに、「私はいらない」って言われちゃったみたいな感じで結構ショックで。
でも、仕事をするなら楽しみながらやりたいから、やっぱりお花関係のことをしたいと思って。
ネットで「お花」みたいな感じで検索してたら、パステリア書を見つけたんです。それがパステリア書との出会いですね。

■猿渡
パステリア書ってどんなものなんでしょう?

□両角
パステリア書は、筆以外の道具を使って書くインテリア書と優しい色合いのパステルアートが組み合わさったアート作品で、だれでも簡単に本格的な書が書けるものです。
これを「やりたい!」って思って少しずつし始めたころに、次は、たまたま本屋さんでペーパーフラワーの本を見つけて(笑)

□両角
これも可愛いなと思っていたら、2015年の『1derland』というイベントでペーパーアートで出展されている方を見つけて、「ペーパーアート気になってるんです」っていう話をしたら、「教えてくれる先生が豊田にいるよ」って聞いて。
「じゃあ私も行って講師になってみたい」って思ったのがペーパーアート・ペーパーフラワー講師へのきっかけです。

■猿渡
元々花が好きだったけれど、花屋で働くのはちょっと難しくて……何か形を変えてでも「花」に関することをしたいと思って始めたんですね。

□両角
そう。やってみると「あれ?楽しいな!」みたいな(笑)
パステリア書もいろんな花を描けるし、楽しくてどんどんやりたくなって。
「こっちも講師資格取れるんだったらやりたい!」みたいな感じで始まったのかな。

趣味として続けるか、仕事としてスタートするかは悩みました。

■猿渡
まずは体験という形で教室に通って「趣味・習いごと」として止めることもできたわけじゃないですか。
それを趣味ではなくて仕事にしようっていうのは始めから考えていたんですか?

□両角
趣味でとどめようか仕事にするかは悩みました。
そのときに行ったのが株式会社eightさんの講座ですね。

■猿渡
株式会社eightさんのことはもとから知っていたんですか?

□両角
ううん。近所の友達が通ってて、「悩んでるんだったらちょっと行ってみたら?」って紹介してもらって。
それで、説明会に行ったらビックリ! いっぱいキラキラした女性がいるわけですよ(笑)
いろんな仕事をしている人と知り合って、みんなすごく楽しそうだなっていうのもあって。
そういう姿を見ていたら、自分も仕事として極めて行きたいっていうか、もっともっとやっていきたいって思ったんだよね。
だから、「よし!私も仕事としてやってみようかな」って決めてデビュー講座に通い始めたんです。それが2016年の6月かな。

■猿渡
講師の資格を取ったのはいつだったんですか?

□両角
2016年の3月に講師として認定証をもらってました。

■猿渡
そこから少しずつ自分で教室を始めた……

□両角
いえ、実は半年間くらいはモヤモヤ時期があって。
「やっぱり趣味のままでいったほうがいいんじゃないか」とか「本当にできるのかな?」って
3人の子育てしながら、しかも来年は受験生もいるし、末っ子も小学校入学して環境変わるしなっていうので。
eightさんの説明会や講座に行っても、やっぱりずっとモヤモヤ悩んでて。実際に「よし!やってみよう」って思ったのは『1derland』出展からですね。

■猿渡
ちょうど1年前、2016年の10月ですね。

□両角
うん。すごく楽しかった~~って。

■猿渡
そのときが初めてのイベントだったんですか?

□両角
そう。デビュー戦。ワークショップをしたんですよ。

■猿渡
出展してみてどうでした?

□両角
思ってたよりも反応が薄くって(笑)

■猿渡
お客さんの?

□両角
うん。やっぱり体験していくっていうのは時間がかかるからかもしれないけど、やっぱり買い物目当てで来た人の足を止めるっていうのはすごく難しいんだなって思ったし。
だからこそ余計にちょっとリベンジじゃないけど、よし来年は止めてやる!みたいな(笑)

■猿渡
燃えるタイプなんですね。

□両角
燃えるタイプなんだろうね。
で、今年はちょっと趣向を変えて、多くの人に知ってもらえるように、写真みたいに物販メインで出展したんです。

身近な人・地域から笑顔になってほしい

□両角
そんな感じで昨年10月に初めてのイベント出展を経て、本格的にやろうかなって教室を始めたんですけど……

■猿渡
けど?

□両角
イベント後はちらほら生徒さんが来てくれたんだけど、しばらくすると募集しても集まらなくなって。
多分私の営業不足もすごくあると思うんですよ。興味持って来てくれる人に対してはすごくイイよって話ができるんだけど、自分から売り込むっていうのが苦手で(笑)

■猿渡
では現在、教室運営は?

□両角
定期的には行っていないですね。チラシやホームページとかから問合せがあればその都度ひらいています。
今は、新たな取組みとして、自治区のおじいちゃんおばあちゃんと楽しい時間を過ごそうみたいな感じで、身近なところから盛り上げようという活動を行っています。

■猿渡
そうなんですね。そちらは定期的に?

□両角
2ヶ月に1回くらいのペースで。体験料として500円をいただいて。時間は2時間とっているんですけど、途中参加、途中退出自由で。
お話をして自治区を盛り上げていきたいねっていう感じだから、お茶を飲みながら縁側で話をするような感じでまったりやっているかな。
それ以外はひたすら制作したりとか、宣伝のためににイベント出展したりとかかな。

□両角
昔からなんだけど、私自身が一度に広く付き合いができないんですよ。自分のキャパを超えちゃうみたいな。
どちらかといえば、「家族がいれば良い」みたいなタイプの人だったので、自分にとって一番大事なものは自分の手元にあるんじゃないかなって思うんです。
だから、自分の身近にいる人が幸せになってくれることがまず一番かなみたいな思いでやっています。

■猿渡
いいですね。今おっしゃってた「身近にある人の幸せ」っていうところが、今の自治区での体験教室にもつながっているんですね。

□両角
やっぱり自分の大切に思う子どもたちが、ゆくゆくはここに戻ってきたりだとか、ここで自分たちの世代を作っていきたいって思ってくれるような地域づくりができればいいなっていうのが根底にあるのかもしれない。

気持ちや時間、思い出を形に残すお手伝いを。

■猿渡
少し話は変わりますが、「花」というと女性というイメージが強いかと思うんですが、どういった人に知ってもらいたい、体験してもらいたいと考えていますか?

□両角
お花が好きって思う人と花の良さを共感したいっていうのはあるんですけど、でも全く無縁な人にも知ってほしい面もあって。
例えば、「奥さんに一輪だけお花を作って送りたい」とか、「子どもが母の日に自分で書いた、つくった花をプレゼントする」とか……性別・年齢に関係なく、その人が持っている気持ちを伝えられるアイテムの一つとしてペーパーフラワーとかパステリア書が候補の一つとして思い浮かぶようなものにしたくて。
だから、男性とかおじいちゃんとかにもぜひ体験してほしいって思います。

■猿渡
そのときの想いを形で残していけるアイテムですもんね。

□両角
はい。何か送るときの気持ちっていつまでも消えないのかなって。

■猿渡
教室を通して、送る側の気持ちを形にするお手伝いをしているんですね。

□両角
そうですね。それが『Ribbon Time』の由来でもあります。
プレゼントする相手のことだけを思って、一生懸命色を選んだりだとか作ったりだとかして、リボンをかけて相手の喜ぶ顔を想像して。感謝の気持ちをいっぱい詰めて、開けてくれたときのその顔が楽しみみたいな。

■猿渡
素敵ですね。男性女性問わず、自分の気持ちを形にしたい人にはぜひ知ってもらいたいですね。

□両角
はい、ぜひパステリア書やペーパーフラワーを体験してほしいです。

家族の理解・協力を得て、自分らしい形を見つけた。

■猿渡
活動を始めるとき……一番初めに「こういうの見つけた!資格を取ってやろうと思うんだ」とご家族に話したときってどんな反応でした?

□両角
多分ね、旦那はすごく嬉しかったんじゃないかなって思うんですよ。

■猿渡
ほう、どうしてですか?

□両角
私徳島出身なんですね。
地方から出てきて、子供がほしいって思ってもすぐにはできなくて……ちょっと引きこもり状態になってたのね。1年半ぐらいかな。もう離婚してもイイかなって思う時があるぐらいまで。全然友達もいないし、周り見てもやっぱり子供がいるお母さん同士は仲良くなるけど、まだ子どもいないから接点がなくて。子供ほしいから仕事にも行けないって思ってると、だんだん引きこもりになっちゃって。苦しい時期がやっぱりあったんだよね。
それから子どもに恵まれて、ここにいるのが楽しくなったんだけど、育児だけの生活だからやっぱりずっと家にいて。子どもたちを見送って、帰ってくるのを待つだけの生活で、不満ばっかり言うのはあんまり旦那的にも嬉しくないと(笑)
だったら、子育てがちょっと落ち着いてきたから「自分の好きなことをやってみたら?」って言ってくれたんです。「うまくいかなくてもいいじゃん。やってみたらいいんじゃない?」って…。
だから私も気後れなく始められたし、多分旦那もちょっと気が楽になったんだと思う。

■猿渡
家事や育児だけに追われる日々じゃなくて、自分の好きなことを見つけて過ごす……

□両角
そうそう。それで「仕事に行くなら仕事に行くでもいいし、自分でやりたいって思うことが見つかったのならそれを納得いくまでやったら?」って言ってくれたので、「やろう」って決めて、家でも少しずつ制作を始めて。

■猿渡
そうだったんですね。この素敵なアトリエはすぐに作ったんですか?

□両角
えっと、2017年入ってすぐくらいかな。
オーダーも受けたいってなったときに、材料がないことには受けることもできないし、見本も作れないから。いろいろ材料や道具を揃えたいっていう話をして。プリンタとか大きいモノを買おうって決めたときに「和室使ってないから使わせて」って言って、制作スペースにさせてもらったんです。

■猿渡
実際に家に作業スペースを持ってみて良かったなって思うことはありますか?

□両角
作業を中断するときに、その状態で現状維持できるじゃないですか。リビングでやってたときはやっぱり片付けなきゃいけない。片付けちゃうと形が変わっちゃったとか、「あれ?どこまでやってたっけ?」と進捗がわからなくなるのがなくなったかな。

■猿渡
逆に、家でやってるから仕事とプライベートを分けられないとか、不便に思うことってありますか?

□両角
最初はやっぱり仕事は仕事、プライベートはプライベートってしたかったかな。
でも、ここに部屋を分けてもらってから、ここは仕事部屋だからっていう話をしたら、家族みんな納得したんだよね。しかも、ここで子どもたちが遊んでるのとか、宿題やってるのとか成長を見ながら仕事ができるから、私のなかでは「一石二鳥じゃん」みたいな(笑)
変にお互いが行き来するんではなくて、ここに一枚見えない壁があるような感じで仕事ができるから、自分にはこのスタイルが良いのかもしれないっていうのは感じました。

■猿渡
子育てと仕事に「ここからここまで!」という大きな線引きをしてるわけではなくて、うまく共存してる感じでしょうか。

□両角
そうだね。イベント行ったりだとか、外で教室やったりしつつ、家でも落ち着いて作業ができてるから。
たぶん、何かこう模索してたんだと思います。自分に合った方法って何だろうって。それがちょっと見えてきた感じです。

次の目標は『キモチ クリエイター』になること。

■猿渡
まだ手探りの段階かもしれませんが、今後どういうふうに活動をしていきたいですか?

□両角
まだ実践ができてなくて、自分のなかでモヤモヤしてる最中なんですが……私『キモチ クリエイター』っていうものになりたくって。
これは自分が作った造語なんだけど。自分の根底にある「生きててほしい」みたいな気持ちがあって。やっぱり生まれてきた以上、つらいことがいっぱいあるとおもうんですね、会社でも学校でも。つらいこといっぱいあるんだけど、逆に嬉しくって誰かに言いたい!みたいなときもみんなそれぞれあるはずで。
そういう思いに共感したり、ちょっとした言葉で相手を励ましたりできるような『キモチ クリエイター』なるものになりたいと思ってます。
ゆくゆくはこのペーパーフラワーもそうだしパステリア書もそうなんだけど、今やっていることを活かして、『気持ちクリエイター』という仕事を確立していけるように動いていきたいなっていうのが今の目標です。そこに向けて近いうちに活動をこうしていけたらいいなって。

■猿渡
今やっていることを活かしつつ、洗練して、両角さんだからできる仕事をという感じですね。

□両角
そうそう。そういうふうにもっていきたいなって思っています。言うだけじゃなくて、しっかり形にしたいなって。

■猿渡
ありがとうございます。今後の展望を楽しみにしています!

取材・写真・文:猿渡 菜都美