親子コミュケの会創設者:中西 暁美





「子どもに優しい人が増えて、豊田市が子育てしやすい街になれば嬉しい。」

子どもが生まれたことがきっかけで子育てサークルを発足し、その後「親子コミュケの会」を立ち上げ10年以上活動している中西 暁美(なかにし あけみ)さん。グラフィックデザイナーや交流館の子育てサポーターなど、様々な活動を行っている中西さんにお話を伺ってきました。

中西 暁美(なかにし あけみ)

親子コミュケの会 創設者
AK-Designグラフィックデザイナー
子育てサポーター

1966年生まれ
豊田市出身


ブログ⇒http://oyako.boo-log.com/
Facebook⇒親子コミュケの会 @oyacomyu
LINE@⇒@khg8938u

子どもの成長に合わせた活動をしたくてはじめた。

■猿渡
「親子コミュケの会」はどういった経緯で発足したんですか?

□中西
今中学生の子どもがいるんですけど、子どもが0歳の時にベビーサインを習いに行っていたんです。交流館のマタニティ講座とかベビー講座とかで知り合った人たちと。
その講座が終わる頃に、交流館のスタッフさんから「ここでサークル作りませんか?」って言われたんだけど、受けてた場所が若園交流館で。

■猿渡
豊田市の南部ですね。

□中西
そうそう。でも私も街中に近いところに住んでて、知り合って仲良くなった子たちも街中の子が多くて。だから、そこではサークルは作らず、街中でって思って。保育士の子が1人いたので、ベビーサインとか手遊びとかをやりだしたのが最初かな。

■猿渡
初めは子育てサークルだったんですね。

□中西
日進のベビーサインサークルにちょっと入って、そこで教わったことを持ってきたりして。それでサークルとしてちょこちょこと始めたんです。

■猿渡
それがお子さんが0歳のとき?

□中西
13年前ですね。でも、ベビーサインって子どもがしゃべり出したら終わっちゃうんで。
次は自分の子たち用にリトミックサークルを立ち上げました。友達がリトミックの先生を探してきてくれて。
当時は子育て支援センターあいあいでやったりとか。広いところが欲しかったけれど、あいあいのホール借りると高いので。だから、もともとはあいあいのサークル室でずっとやってたんです。

■猿渡
そうなんですね。

□中西
でもやっぱり広いところでやりたいよねって、別の場所を探して。
崇化館交流館でもやったんですけど、すぐ近くに知り合いのリトミックの教室があって……その兼ね合いでまた場所を移して。それから、男女共同参画センターの音楽室だったり、青少年センターとか。たまたま知り合いが職員さんんで、「昼間空いてるからいいよ」みたいな感じで借りて。
最終的に、梅坪交流館に移動して。今もそこではリトミックのサークルはやってるいるみたい。
ベビーサインは0歳からしゃべり始めるまでと期間が短いけれど、お母さんたちに教えてあげようみたいな感じで、そのままベビーサインサークルとして……「ベビーサイン おててではなそう」と名前をつけてはじめたんです。私含め3人でやってたんだけど、ほかの2人が2人目妊娠とかで様子を見ながら続けてて。
そうしたら、たまたま手話に興味のある市民活動センターの職員さんがのぞきにいらっしゃって。そのときに「良かったら市民活動センターに登録しない?」と言われて。ホールとか部屋を借りる料金が免除っていうのでそれはいいかなと思って。
その登録のときに、自分の子が大きくなっても何かできるようにと思ってサークル名を「親子コミュケの会」に変えて、そこからですかね市民活動団体っていうのになったのは。

■猿渡
「親子コミュケの会」に改名したのがどれくらい前のことですか?

□中西
子どもが2、3歳くらいだからやっぱり10年くらい前かな。

「子どものために○○してみたい」を具現化する場所。

■猿渡
現在、「親子コミュケの会」はベビーサイン、リトミックのほかにどんなことをされてるんですか?

□中西
ベビーサインはしばらくやってたんですけど、私たちは資格とか何もなく独学で伝えていたんです。だんだんほかのサークルや団体がやりだしてきたから、「ほかでやるなら私たちはもういいかな」みたいな感じで、やらなくなったんです。
今はリトミックを毎月。リトミックか親子あそび、もしくはベビービクスなどをやってて。最近では体操あそびと、ベビー向けのフラダンス。

■猿渡
親子でやれることがメインということでしょうか?

□中西
そうですね、過去には造形あそびとか。習字……書き初めの講座は割と毎年。
あとは、子どもにクラシックコンサートを聴かせたくて、それで子どもと一緒のクラシックコンサートもやっています。たまたま知り合ったピアニストの方がいて、その方がチェロとバイオリン、ユニット組んでいた方なのでお願いして。出演者も変更しながら今年で10年目になりますね。

■猿渡
0歳の赤ちゃんとか、ちょっと動き出したい時期とか、そのときの子どもの成長に合わせて楽しめるような活動が多いんですね。

□中西
そうですね。基本、「子どものために親がこういうことをしたいわ」という想いから始まっているので。サイエンスクッキングとかが良い例ですね。薄力粉と強力粉でうどん作ってみたりとか、だしをいろんな食材で作ってみたりとか。魚の解剖と言ってイワシを手開きしてみたりとか。

■猿渡
面白そうなものが多いですね。

□中西
去年の「とよたまちさとミライ塾」ではアサリの解剖なんかもしましたね。

■猿渡
今年は親子体操をされたんですよね。

□中西
そうそう。親子体操と笑いヨガとバランスボール。あとは、今年から親子フィットネスも。0歳~未就園児向け、園児向け、小学生向けとクラスを分けて。まあ、いろいろやっています(笑)

□中西
もともと私自身、旦那の親と同居で旦那も家で仕事をしていたんですね。わりといい環境だったにも関わらず、なんだか家にいづらくて。旦那は家の中の事務所にいるんだけど、やっぱりうるさいといかんかなと思って、子どもと出かけていくしかなくて。
最初はあいあいのイベントとかに行こうとしても、すぐいっぱいになっちゃったりとかして……。ちょっとしたら友達もできたんで、じゃあ自分でやりたいことやろうかみたいな。

■猿渡
誰かがやっているのに乗っかる人が多いなか、自分からやろうって思えるのってすごいですね。自分でやろうかって決心をした理由とかっていうのは?

□中西
一番は、自分の子にこのクラシックコンサートもやりたいなと思ったからかな。結局、最初の頃は多少うろうろしながら聴いていたんですけど、ちょっと大きくなってくるとロビーに出て中にも入らず。自分の子どものためにやってみたんだけど全然聴かないしみたいな(笑)
でも、誰かのために何かをやるっていうのは楽しくて。企画してみんなが来てくれて、楽しんで帰っていってくれるっていうのを見るのが好きなので。仕事とはまた違う……なんて言うのかな喜びじゃないけど。

■猿渡
自分が誰かのために、自分の子どものためにやったことで、参加者の笑顔が見れて「良かったよ、また次もやってね」って言われたら「じゃあやろっか」とモチベーションにつながる感じですかね。

□中西
かな。私自身子どもが好きで。子どもって素直じゃないですか。イヤならイヤだし。
今、けっこうママのためにっていう講座やイベントが多いけれど、できればママもちょっと頑張って、子ども二人で一緒に何かやろうかみたいなスタンスが私的には本当はいいかなっていう感じがあって。
だから、子どもと一緒にできることをいろいろやっています。

妊活を機にフリーで働きはじめました。

■猿渡
親子コミュケの会以外で、フリーのグラフィックデザイナーもされているそうですが、どのタイミングでフリーになったんですか?

□中西
2000年からですね。新卒当初はスライド制作で技術系の会議資料などをつくることが多い会社で勤めてて。でも、やっぱり広告がやりたくて、名古屋の代理店兼制作所みたいな会社に転職して、そこでディレクターとデザイナーと7年ぐらい。
そうするうちに、やっぱり子供が欲しいなと夫婦で話すようになって。在宅で仕事をやりたいと言ったんだけどうまくできんくて。
結局もう辞めますわみたいな感じで退職。そこから、辞めたと同時に妊活をしはじめて。

■猿渡
結婚してどれぐらいでお子さんを授かったんですか?

□中西
10年ですね。だから、結婚してもうちょっとで25周年ぐらい(笑)
それで、妊活中に、以前勤めていた印刷会社からちょっとした仕事をもらってフリーで始めたのがきっかけですね。失業保険ももらってたから細々とずーっと。
最近はPTAでPTA新聞作る時に、ちょうどカラーに刷新するっていう時に役員だったんですよ。一度見積もり出させてもらって、PTA新聞は仕事で2年やらせてもらってたり。

■猿渡
グラフィックデザインの方は、人とのつながりでっていう感じですかね。

□中西
少しずつですけどね。印刷とかデザインの仕事って、入っちゃうとかかりっきりになっちゃうんで、そうすると、親子コミュケの会に関わる時間がどんどんなくなってきたりして。

■猿渡
ほかのメンバーさんも仕事と兼務の人が多いんですか?

□中西
そうですね。だから、イベントに参加してくれる子に、参加費いらないから手伝ってって言ってちょっとずつ手伝ってもらったりとかしながら上手く。

■猿渡
そうやってうまく広げながら、つなげながら、10年以上続けられてきたんですね。

子育て世代の役に立つマップ・サイトづくりをしています。

□中西
今、子育てマップ制作もやっているんですね。
昔、子育てサークルの集まりみたいな会議があって、そこに参加していたんです。そのときに「印刷の仕事をやってる」って話したら、「じゃあ手伝ってほしいことがあるんだけど」みたいな感じで子育てマップを仕事で作ることになったのがきっかけで。

■猿渡
子育てマップは親子コミュケの会の活動というよりは中西さん自身の仕事として請けたいうのが始まりなんですね。

□中西
そうだね。はじめは印刷会社に頼んでやったらしいんだけど、印刷会社だとデザインとか中身がつくりこめなくて思うようにできなかったみたいで。こういう形で、こういうのが作りたいとか、病院とか公共の情報を細かく載せたいとか、イメージを見せてもらって何となく全体像がつかめて、やれそうかなと引き受けたんです。
一番初めは崇化館地区のわくわく事業という助成金を受けての制作だったので、夏頃打合せして3月までに仕上げなきゃいけなくて。ちょうど、子どもが園にあがったばかりで時間があったし、掲載内容もいろいろ詳しかったし、旦那にも撮影協力してもらったりしてガーッとつくって。何とか形にしたのが最初かな。
それから、ちょこちょこ更新したりして。初めての子育ての人とか、他の地区から来た人のために分かりやすいものをっていうコンセプトで作っていました。

■猿渡
子育てマップは今も手に入れることができるんですか?

□中西
それが、子育てマップは実は助成金がとれた時しか作っていなくて。

■猿渡
じゃあ、限定という感じなんですね。

□中西
そうなんです。あ、2018年の3月には刷ります。

■猿渡
交流館などに置かれるんでしょうか。

□中西
交流館に置きますけど、10部しか置けないんです。だからすぐなくなっちゃって。崇化館交流館は私がたまに行くので、なくなったら補充しています。
あと、子育て支援センターあいあいでも配ってもらってます。

■猿渡
じゃあ確実に手に入れたい方は……

□中西
欲しい方は直接問い合わせていただければ。ブログ、LINE、Facebookなどから。あと、子育てマップの内容は、ブログでも発信するので、ブログをチェックしてもらってもいいかなと。それから、『わいわい』ができたら多分そっちでも紹介すると思います。

■猿渡
『わいわい』というのは?

□中西
実は今、子育てマップのWeb版をつくっていて。その名前が『わいわい』なんです。
子育てマップの情報をブログには入れているんですけど、情報整理とか見やすさも考えて、何かサイトをちゃんとつくりたいよねって話になって。
2016年の春ぐらいに岡崎にある「岡崎ビジネスサポートセンター OKa-Biz(オカビズ)」に相談に行ったんです。そこで何度か相談していたときに、「ミライチャレンジプロジェクト」の助成金話があって。「ちょうどいいんじゃない?やる?どうする?みたいな感じで。それでやることになって。
公共の情報も載ってて、お店とか普通の情報も載ってて、さらにママさんたちに有益な情報も載ってて、NPOとか私たちみたいな市民団体にしかできないサイトづくりを強みにしてとりあえず作っていこうって進めることにして。
私たちがサイトを通じて情報を発信したり紹介してして、掲載したイベントとかに、「わいわを見て来たんです」って来てもらったりとか、「こういうのがあるよ」って教えてあげたり。そういうことをしていったら、孤独な子育ても解消できるんじゃないかなと思って。
『わいわい』をつくって、サイトを通じて多くの人が情報を受け取って、豊田が住みやすい、人に優しい街になってほしいっていうのを目標にしています。口コミ機能もあるから、情報もどんどん載せる人が増えたらいいよねという話もしたり。
今は試験的に口コミのLINEグループを作っていて、入った人がみんながつながれる仕組みをつくっています。そういうのがきっかけで段々知り合いも増えていったらいいなと。

■猿渡
サイト……『わいわい』はいつオープン予定なんですか?

□中西
今はとりあえずデザインができて、エンコーティングっていう作業をしている状態です。完成したら、並行して集めている原稿や情報をアップして、来年の3月くらいには一般公開できるようにしていきたいっていう。

■猿渡
そうなんですね。今、『わいわい』に関わっている人は何名ぐらいいらっしゃるんですか?

□中西
今登録してるのが21人かな。LINEグループでおススメのイベントをアップしてくれたり、病院や街の情報をアップしてくれたりしています。それぞれのペースでちょこちょこ手伝ってくれたりとかして。

子どもに優しい人をふやしていきたい。

■猿渡
最後に、今サイト制作真っ最中だと思うのですが、それ以外にこれからやっていきたいこととかってお聞かせいただけますか?

□中西
んー、多分今つくっているサイトを使って、子育てに関わることをしているんじゃないかなとは思うんだけどね(笑)
なんか、昔はスペースづくりとかにも興味があって。料理にこだわっているグループがあったので、そういう人たちが昼ごはんを作ってくれて、ママさんたちが遊べるようなそういうスペースがあるといいなとも思ったりしてたんですけど。今はあちこちでそういうスペースが……ちょっと形は違うけど似たようなのができてきてるから。それはいいかなって思ったり。

■猿渡
昔はこれやりたいなという構想があったけど、何年か経ってみると他でやる人が出てきたから、その分野はその人に任すじゃないけど、得意なことは得意な人に任せて、中西さんは自分の得意なところでやっていきたいなっていう感じでしょうか。

□中西
そんな感じかもしれないですね。子連れで行けるクラシックコンサートも、私が始めた時はほぼなかったんですけど、今はあちこちでやりだしていたり。
イベントもいろんなところでやっているだろうけど、サイトで情報を集約・発信することで、いろんな人と知り合ったりとか、情報を子育てに役立ててもらったりとか。これは『わいわい』で出来ることかなと。
あと、親子コミュケの会の方は、子どもの成長に合わせて講座を考えてるので、うちの子が中学校、高校になっていった時に、また違う悩みとかが出てきて、それを解決したいと新しい講座ができるかも。

■猿渡
自分の子どもの成長とともに、時期に合わせた講座を自分で考えて作っていけるっていうのがいいですね。

□中西
うん。そうやって続けていけるかなと。私の根っこにある想いとしては子どもに優しい人が増えてほしいっていうところで。豊田市が子育てに優しい街になったらいいなっていう。子どもに優しい人が増えればきっと年配の人にも優しいだろうし、そういう人が増えれば、大きく言っちゃえば戦争が無くなるだろうしみたいな感じで。
子育てっていうと、最近はママのほうに注目が集まっているけど、私は子どもを大事にする人を増やしていきたいなっていうのがあって、そんな想いでいろんな活動をしています。

取材・写真・文:猿渡 菜都美